御先祖様の鼻くそ黙示録

鼻くそのように生きた感想を記す

アニメ『東京喰種』1、2話 喰種が食うケーキのような演出

 1、2話を見ました。ちなみに原作は読んでないです。

 

 この2話見た印象は面白くないなあ、と。

 喰種のあの偽悪的なかんじを過剰に演出してるのとかどうにかならないのかな?やったらとニタニタした笑いとか。あのヒデの顔をガシガシ踏みつけるところもさ。あそこは不快感を煽るのが演出目的なんだろうけど、ああいう敵性の印象づけ方はバカっぽくて嫌いですね。喰種にも人間と共通する部分は多いであろうし、ああやって完全に理解不能な外部であるかのように描くのはどうかと。俺らも生きてて食い物にあんなことできないじゃん。

 異常な人間(まあ人間じゃないんだけど)を過剰に変に描くのってまったく異常なように見えなくて、まあいったらサブいんだよね。厨二病のやつらが頭おかしいフリするのを見て、こいつらヤバいとか全然思わないじゃん。イタいなこいつってなるだけ。それと似てる。狂気は日常や通常の中にひっそりと混在しているから怖いんです。はじめから全体が狂っている(ようにみせかけている)ものなぞ怖くありません。

 

 これを見てて、やっぱりすごいなあと思い出したのは黒沢清監督作品の『CURE』。

 あの映画では人間の普段の一面と人を殺す一面。現実ではそれがシームレスにつながっていることを描いているんだよね。ほんの数秒前まで日常を過ごしていた(ように見えていた)人間が人を殺す。ああいう心底恐ろしい殺人シーンを思い出すと『東京喰種』の稚拙さは目立っちゃいますね。『CURE』には自分の存在すら脅かされるような恐怖がある。

 

 んでもってさらにあきれたのは2話の最後のほう。ヒデが寝返りうってるくらいの状態なのに、「君は喰種と人間の間だ」とかそんな聞かれたらヤバい話させるなよ。この作品のリアリティレベルから考えても完全にアウトだろ。というか例え昏睡状態だったとしても廊下にでてドアを閉めて話せよ。普通そうだろ、ったく雑な芝居つけるなあと思っていたら、それでほんとに起きてたっていう事実があとから発覚して驚愕した。ひどいね、マジで。二段階でひどい。原作もそうなのか、なんなのかしらないけどこんな幼稚な芝居で物語を展開させるのはとてもじゃないけど感心できたものではありません。はっきり言って学芸会レベル。せめてこの方向性(最低な方向性だけど)でやるなら、寝返りを打たせちゃダメでしょ。そういうのを何にも考えてないのかな。

 

 見てて思うけどこれほんとに原作面白いの?今のところつまらないけど。とりあえず森田修平っていう監督の名前だけは覚えました。studioぴえろって今こういう感じになってんだなあ…

 と散々愚痴りましたが来週もまた見るかもしれない。人間は嫌いなものほどじっくり知りたがったりするものですし。