御先祖様の鼻くそ黙示録

鼻くそのように生きた感想を記す

レオス・カラックス初心者が初期アレックス三部作を観るPart1『ボーイ・ミーツ・ガール』

 カラックスの初期三部作を観ることになりました。

 私がカラックス作品で見ているのは、オムニバス『TOKYO!』の中の一本と、昨年公開の『ホーリー・モーターズ』だけで、しかもなんだかよくわからんぞという印象でした。『TOKYO!』はポン・ジュノ大好き人間であるわたしはポン・ジュノ最高!と叫んでいるだけでした。

 ただ友達のカラックスファンが執拗に推してくるので、仕方なしにとまでは言いませんが『ボーイ・ミーツ・ガール』を観ることになりました。

 

『ボーイ・ミーツ・ガール』

 序盤から話の筋からそれるようなシーンが入りまくっていて、やはり自分はカラックスが苦手なのだろうか、と思ったりしたのですが、物語を追うように観ることを諦めてから観るのが楽しくなりました。多分演劇とかでいう異化効果ってやつなんでしょうが、あれに慣れるのに時間がかかりますね。押井守なんかで慣れているからって他の作家に簡単に応用が効いたりはしないらしい。ただ後半はだいぶ楽しく見えました。しかしこれを観た時点では天才性っていうのはいまいちピンときませんでした。友達は天才天才天才天才天才天才と彼を評していたのですが。ただカラックスに対するとっつきにくさみたいなのはだいぶ解けたような気がします。アレックスのあの役者の人は『TOKYO!』、『ホーリー・モーターズ』にも(ふるちんで)出演していたし、一つのフィルモグラフィーを縦に通す、作家としての自己言及のようなものが含まれているように感じたのでそういう観点でも今後見て行きたいっすね。